情報の渡し方から見たシナリオ作り・NPCのロジックの整合性の取り方

シナリオ総合その1

550 : NPCさん : 2006/08/27(日) 13:16:27 ID:UvjC0TP7
ものすごく基本的な問題かもしれないんですが、今シティーアドベンチャーを考え中
なんですが、どうも次の2点で詰まってしまいます。
この辺を上手くやるコツを教えてください。

1.情報の開け方締め方

情報の出し方をあまり開放気味にするとプレイヤーの工夫する余地が無くなるし、すぐ終わってしまう。
でも抑制気味にしすぎるといつまでたっても進まなかったり、完全に正解から逸れてしまって失敗の可能性が出てくる。
ここの部分のさじ加減が難しいです。
しかもこういうのはプレイヤーの性格や能力にもよるので予め想定するにも限界があります。

2.ロジックの整合性の取り方

NPCの行動やいろいろな展開のつじつまを合わせるのが難しいです。
どこかで無理が出るからその無理を修正するためにどこかを変えると、今度は別の部分が歪んでくるという感じです。
それにこれは1の方にも関係するんですが、矛盾を生じさせないためにNPCに論理的な行動を取らせると
簡単に解決できてしまったり全く解決できなくなったりです。
もちろん別に矛盾があってもそれにプレイヤーが気づかず、普通に楽しめればそれでいいんですが、
気づくかどうかもプレイヤーによりますし、気づいたことで違和感が生じて楽しめないプレイヤー
がいたらよくないですし。



551 : NPCさん[sage] : 2006/08/27(日) 16:11:46 ID:???
問題1については、「プレイアビリティ」、「難易度」の問題。
これについては、まず情報を箇条書きで書き出す。
ポイントは1つの過剰に複数の情報が入らないようにすること。
全部書き出してみたら、それをソートする。

a)無いとシナリオが解けないキー情報
b)1にを得るための情報(つまり、シナリオを進める情報)
c)無くてもいいけど、あるといシナリオの背景や事情がよくわかる情報
d)ゲームの背景情報など、情景情報。またはダミー情報。

aについては、無いと解けない。これは、余り多くないほうがいい。
多くても3個とか。で、これをプレイ実時間に配置する。
(たとえば5時間プレイする予定のセッションなら4時間目に配置とか)
bはそこにたどり着く情報。これは、複数のルートを考えておくこと。
たとえば大まかに3ルートあり、それぞれ3つづつの情報があるとか。
合計12くらいの情報から3つ4つあつめればaにたどり着けるとか。
手詰まりにならないようにするのが重要。これをシナリオ作成時には
シナリオ表記上aの前に配置する。チェック表を作成しておき
マスタリング時には、実時間でa以前に目標数に達するように調整する。
(現在3時間経過、目標到達率2/4なので、ちょっとサービス目で
情報bをだしていこうか、とか)
情報cについては、内容が重複してもいいので、一定数を作っておくとよい。
(つづく)



552 : NPCさん : 2006/08/27(日) 16:13:48 ID:TxpLgjo9
ゲームのインタラクティヴ性に関わるんだけど、例えば戦闘における
命中判定というのはラウンド進行の中で繰り返されるので
相対的に一回の印象が薄まるけれど、情報収集はその逆の傾向があるために
「判定には成功だけど入手情報なし」というのは、PLにストレスを与える。
だから、多少見当はずれな場所/入手方法で成功した場合用に、cの種別の情報
しかも、どこで出しても当たり障りが無いようなのを作っておいて手渡すと
いうのはモチベーションの維持という意味でも有用。
多くの場合PLってのはGM側から見て疑わなくてもいいようなことを疑ったり
もするので、例えばc1を得ることによってb1の裏づけが取れるなどの構造は
喜ばれる傾向がある。
(この場合最短手順を考えるとc1は入手しなくてもいいわけだけど、
入手することによりb1が保障され、c1入手時の努力が無駄にならなかった
というモチベーション維持が出来るという効果がある)

dについては、ホントの背景情報といってもいいかも。
「宿屋の親父は実はヅラだ」とかシナリオには直接関わらない情報ともいえる。
コミックなノリをだすためとか、(マスタリング難易度は高いけど)
PLの誤解を誘うミスディレクションを仕掛けたいとき用に用いる。
情報入手型(謎解き型)シナリオを作る場合、a〜cまでで情報入手の観点から
見たフローをつくり、フローにあわせて、入手シーンやアクションシーンを
配置していくほうが、シナリオ作成は楽だと思う。


553 : NPCさん[sage] : 2006/08/27(日) 17:11:03 ID:???
タイプcの情報を上手く使うと言うのは同意。
考えるのも楽しいしね。
タイプaの情報を実時間で配分するのは結構テクニックが必要なんじゃないかな。
っていうか質問者の訊いている「さじ加減」がまさにこれのことじゃないかと。


554 : NPCさん : 2006/08/27(日) 17:15:06 ID:zCHwQ/VG
>>550
>NPCの行動やいろいろな展開のつじつまを合わせるのが難しいです。
どうみてもシナリオ作成じゃなくてマスタリングの話なんだけど、
途中でつじつま合わせが必要になるようなマスタリングをしないのが一番。
PCの選択の結果、NPCの論理的な行動によって問題が簡単に解決してしまうなら、
それはそれでOKでしょ。


555 : NPCさん[sage] : 2006/08/27(日) 17:41:50 ID:???
タイプa(およびその前段階としてのb)の配置については
「シナリオの結末に対するイメージ」が重要だと思う。

多くのシナリオにおいて(カタルシスを得る構造上の問題で)
クライマックスには戦闘があったりする。である以上、基本としては
1)クライマックスの一手前で謎が全て解ける
2)クライマックスで何らかの戦闘、アクションシーン
3)後始末なり、謎のフォロー(無いことも多い)
4)後日談を含むエンディング
という進行になる。(もちろんこれは基本で、このラインから
外れるものは多くあるわけだけど)
上の構造で言えば、実時間配置としては終了予定時間を想定して
そこから2〜4を行うだけの時間をさっぴいた手前の時間時点で
1を達成しないと、時間内に4が間に合わない。
そこで、2〜4を想定するために「シナリオの結末に対するイメージ」
が重要になる。このイメージにより2〜4のストーリーライン、および
演出が選択されるわけだから。

ps.基本という意味で言えば、タイプaの情報は一手で全て出したほうが
いいと思う。(もちろん応用として分散て言うのはあるけれど、
まずは基本でも損は無いよ)。シーン制ならば1シーンで出す。
サプライズ感というか、謎解きしました感がつよくなるし、
ストーリーにもメリハリがつきやすい。時間管理も楽だしね。


556 : ダガー+ダードエリートヒール : 2006/08/27(日) 17:54:36 ID:8I5Uo74C
>553
まぁ実時間っつうかシナリオの進行度よね大概。
個人的にはキー情報が早く出すぎて興ざめしね?とかってのはあんまし考えない。
コレで、以降の展開させるモチベを妨げるようなコトがなければ、のハナシだけど。

>2.ロジックの整合性の取り方
シナリオ/PCに対して明確なギミック性を持たないNPCを一々出したりしない、で
かなり楽になると思うのだけど。
例えばオレァ
「NPCである以上、どんなに有能な大人物だろうが、
 (シナリオでPCが行うべき)意思決定そのものに対して介入しない。
 ソレはゲーム的にPCの役目なので」
とかってぶっちゃけたりするけど。
まぁ、>551ゆうトコロのタイプc情報と上手くリンクできるのが理想なんだろナ。


557 : NPCさん[sage] : 2006/08/27(日) 18:02:34 ID:???
問題2「ロジックの整合性の取り方」について。
具体的にどういう問題を指しているのかわからないけれど、
ゲーム世界内でのリアリティとその場の楽しさやプレイアビリティの
対立という問題なのか、それとももっと表層的な、アドリブするときの
引き出しの問題なのか……。それがわからないと解決の仕様も無いデス。
仮に後者の原因、つまり「アドリブするときの引き出しの問題」だとしてみる。
例えば「重要な情報b1をNPCαから場所βで入手する」予定でいたとき
PCたちの動きで、場所βにいかなかった。もしくはNPCαに接触しようと
しなかった等の理由で予定を変更しようとして「展開の引きつれ」が生じる等。
上の例で言うと「重要な情報b1をNPCαから場所βで入手する」という1セットに
こだわってしまい他の部分に軋轢が生じてしまうといった現象。
でも、ちょっと引いて冷静に考えてみると、重要なのは「重要な情報b1を入手する」
なわけだから、別の場所、別の手段でも代替はきくはず。
「展開の引きつれ」が生じるというのは、自分の経験上でも他のGMの観察上でも
GM側に何らかのコダワリがあるときに多いように思う。
(それらはNPCへの思い入れであったり、演出したい印象的なシーンであったり)
それ自体はGMする原動力なのでよいことだと思うんだけど、シナリオはともかく
今プレイしつつあるセッション(とその美しさ)はPLにも権利と責任のあるものなので
過剰なコダワリは多くの場合、全体的なメリットをもたらさないように思う。
むしろコダワリのある案1が使用出来そうに無いとき、同じ程に魅力的な
案2、案3に切り替えていける順応性と反射性能が「展開の引きつれ」を無くし
かつセッションの完成度を高める方策だと思う。
具体的には551で書いたようにタイプbの情報を(GMが想定したゴールデンラインよりも)
多く用意して、aにいたる道を複線化しておくこと。
完璧を目指さずに「最低限、この程度あればaにたどり着ける」というボーダーを
設定することだと思う。


558 : NPCさん[sage] : 2006/08/27(日) 18:12:17 ID:???
「引きつれ」ってどういう意味?
なんらかの良くないことの意味で使ってるのはわかるけど…


559 : NPCさん[sage] : 2006/08/27(日) 18:14:07 ID:???
あ、すまん。550へのレスとして何の気なしに使ってしまった。
550にある「どこかで無理が出るからその無理を修正するためにどこかを変えると、
今度は別の部分が歪んでくるという感じです」を指して「展開の引きつれ」と
書いたわけね。


560 : 550 : 2006/08/27(日) 18:26:55 ID:UvjC0TP7
>>557
抽象的で分かりにくい質問に的確なレスありがとうございます。
まさに自分の問題はそこにあると気づきました。
全体のストーリーよりも「こんな場面をやりたい。」「こんなセリフをしゃべらせたい。」
というのが先行していました。
そしてその部分部分のやりたい場面同士をつなぐための展開を強引に押し込むから、
歪みが生じていたようです。
そういうコダワリを捨てて柔軟にやればもう少し自然に進むかもしれません。


561 : NPCさん[sage] : 2006/08/27(日) 23:53:17 ID:???
くそ、お前ら有意義な話してるな。
しかも2chなんかで。
Blog解説してるのに電波なことしかかけない
オモロの心情も思いやってください。


562 : NPCさん[sage] : 2006/08/29(火) 00:26:47 ID:???
>560
こだわりを持つ事自体は大事なので「どうしてもこれがしたい」って物を、例えば1本のシナリオ中
1つだけにしておくといいよ。
1つだけなら予想外の流れになって困った時、どうやればやりたい事に軌道修正できるかっていう
判断基準ができるし、やりたい事以外の諸要素を取捨選択しやすくなる。

で、これを>550に適用するとこんな感じかしらん。

>1.情報の開け方締め方
「PCたちが足で情報を集める」のがやりたいんなら、それはシチュエーションの問題なので
PCが駆けずり回るシーンを細かく描写し、情報その物はどんどん与えればいい。
「PLが頭を使い、入手した情報を組み合わせて真相に辿り着く」の場合は>551、>552、>555が上手く
まとめてる。
>2.ロジックの整合性の取り方
PLが情報を手に入れても、必ずしもPCを(GMの想定した)論理的には動かさないように、
NPCだっていつもロジカルには動かないんじゃないかな。
やりたい事が「特定のNPCをアピールする」事なら彼(彼女)の行動原理を決めておく必要があるけど、
それ以外のNPCはPCの行動に応じて動かせばいいと思う。

なんにせよ、あんまり隙のないシナリオを作るとPCの動く余地がなくなるのでご注意あれ。

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